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いがいが日記


2019-03-25 [長年日記]

_ Rubyふりがなプログラミング

昨年技術書界隈で話題になったふりがなプログラミングシリーズ。そのスタイルのわかりやすさに執筆経験者たちは「なるほどその手があったか!」と少しだけ悔しく思った出来事でした。しかし初期タイトルはJavaScriptとPythonで、「なんでルビなのにRubyがないんだ!」と悔しく思った出来事でもありました(お約束)。

そしてついに「Rubyふりがなプログラミング」が発売されました。しかも監修は高橋会長。安心して読むことができます。読み終わった結論としては素晴らしい1冊で、RubyやRailsを学ぶために必要最低限の知識をわかりやすくかつすごいスピードで習得できます。RubyやRailsを勉強するためのロケットスタートを決めるスペシャルアイテムと言えます。

具体的には以下が良いと思いました。

  • プログラムだけでなく、エラーメッセージにもふりがなが振ってある。
  • しかもエラー例がサンプルコードの打ち間違えなど、実際に遭遇しそうなケースになっている。
  • さらにエラーメッセージの説明の節が4つもある。
  • Windowsのコマンドラインスクショで実行結果を表示してくれているところも親切。
  • 最低限必要な知識を厳選して、それに関して分かりやすく丁寧に説明している。
  • 説明にほぼごまかしもなく、正しく理解できるように良い順序で説明されている。
  • 200ページ強の薄さなのにクラス、継承、Rails、Webアプリ、SQL(ふりがな付き)の説明がある

もちろん欠点もあります。主にページ数の都合ですね。

  • 説明の網羅性は期待できない。まっすぐ進む1ルートのみ説明することに割り切っている。
  • クラスのあたりで難しくなってきて個々の説明が薄い。

ここは割り切りなので、読んで勢いをつけて次は「Ruby超入門」(私の本の宣伝です)や「たのしいRuby」(高橋会長はこちらも書いてます)にステップアップする想定のはずです。

初学者だけでなく、Rubyを知っている人でも楽しめると思います。私はこの辺が特に好きでした。

  • スペースを空けて良いところ、悪いところが書き分けられていてすごい。
  • 代入を「紐付けろ」という言葉でふりがなしているのがわかりやすい。
  • WSLをコマンドラインの文字化けが出てきたところで紹介するのでタイミングが良い。
  • Webのdiffツールで正しいプログラムとの差を知れる説明、全角スペース問題もtypo問題も解決していて良い。
  • 繰り返しをロボットとベルトコンベアのメタファーで説明しているのわかりやすい。
  • Hashの説明がメソッド定義よりも後ろなの興味深い。

またRuby界に自信を持ってお勧めできる1冊が登場してとても嬉しく思っています。Rubyふりがなプログラミングでスタートダッシュして、Ruby超入門で理解を深める、そんな風に利用してもらえるととても嬉しいです。

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