追記

いがいが日記


2023-08-01 [長年日記]

_ 子が生まれる

子どもが生まれた。出産は無事に祈るようずっと祈っていたが、母子健康で本当によかった。お産の時間が長く、妻はずっとがんばってくれた。妊娠期間中もつわりやお腹が大きくなってしんどい状況が続いていたが、ずっとがんばってくれたので感謝している。

誕生後は、みんなが祝ってくれる、みんなが助けてくれるという周囲のみなさんの温かさを感じている。周りの方々に頼らせてもらっている。

子は日々できることが増えていてすごい。成長を実感する日々。

育児は夫婦のチームプレーである感覚を体験している。いろいろと大変なことも多いけど、家族のチーム力を育てて暮らしていきたい。


2023-07-23 [長年日記]

_ Chat GPT-4とGitHub Copilot chat

ChatGPT-4が今年の初頭に出て、プログラマたちの間でかなり大きな進化として受け止められている。プログラマの仕事がなくなる日が今までは「あと10年はまぁ大丈夫」だったのが、これを受けて「5年後にどうなってるのだろう?」という感じの雰囲気になってきた。今の感覚を書き留めておく。

ChatGPT-4はChatGPT-3と比べて飛躍的に良い答えを出すようになったことで驚かれていて、つかえる部分から実戦に投入されている。みんながいろいろな使い方を試せるという面で良い意味でおもちゃ感がある。私もブラウザからチャット形式で話すだけでなく、Chat GPTのAPIを叩いて遊んでいる。これらをつかってサービスを開発している人たちも多いようだ。また、プログラマ以外の人からもChat GPTという言葉が聞かれるほどに世の中にあっという間に浸透した。

まだ人間ができないことをバリバリやっていきます、という感じではない。それでも、草稿書きや要点まとめなどは人間よりも上手と受け止められていて、特に作文の分野で作業時間が短縮されたなと感じている。まだできないこととしては、大きなシステム全体の分析や設計などはまだ難しそう。引き続き答えの正しさはまだまだに感じる。

大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)という総称も良く耳にするようになった。昨年はAIによるイラスト生成が花開いたが、今年はLLMが花開いた1年と総括されそうだ。生成物の著作権についての議論も重ねられている。

GitHub Copilot chatはVSCode上でLLMへ尋ねて答えを聞けるという機能。間違えることも多いが、どんな場面でもそこそこの回答を返してくれるのがすごい。ほかにもOfficeツールへもLLMが搭載されるなど、今年に入ってからあらゆるツールにLLMの波が到達している。プログラミングの作業も大きく変わり、VSCodeがテンプレやコード片はどんどんサジェストしてくれるようになっている。(この機能は去年頃から出始めた)

性能向上の理由は大量の学習データを投入したことのようで、性能が飽和してからある臨界点に達すると飛躍的に性能が上がるようで驚きだ。開発としてはChat GPTの提供元であるOpenAIが一歩リードという感じだが、Microsoft社も追いかけている。Meta社がOSSで機械学習ソフトウェアを公開したようで、OSSツールもどんどん開発されているようだ。

今後は大規模なシステムでつかえるようになっていって欲しいと思っている。たとえば、1つのメソッドの中に2つ以上の独立にできる処理が書いてあるときにそれをみつけだしてリファクタリングしてくれる、くらいでもとても嬉しい。いまは、こういった人間のやってる作業の簡略化を願っているが、進化としては「そっちが先にできるようになったのか」と感じる部分を機械が置き換えていくように予想している。

私の用途でとても便利なのはEmacs Lispの書き方をChatGPTが教えてくれること。出てきたコードを実行して確かめられるし、かなり良い確率で欲しいコードを教えてくれる。Emacsがまた少し便利になった。


2023-06-08 [長年日記]

_ 技術書典14

5/21(日)に池袋サンシャインで行われた技術書典14にべこさんと出店してきました。オンラインマーケットは5/20から6/4まで。この日記を書いているのは運営へ発送まで完了した後です。

ひさびさの現地出店。たくさんの方がブースへ来てくれて、とてもたのしい1日でした。みなさんありがとうございました。べこさんがその場で売り場をよくするためにいろいろ装飾してくれました。状況を見ながら装飾を自分でビルドできるスキルはすごい。

「RubyとRailsの学習ガイド2023」が新刊でひさびさに紙版も刷りました。「Railsの教科書」は前に刷った紙版を初めて会場で販売。公式後払だと不要だったのであまりつかわなかったですが、ダウンロードカードをラクスルの名刺印刷で注文して初めて実践投入しました。パワポテンプレートをmacのkeynoteで編集することで楽に印刷するスキルを得ました。

人もブースもたくさんで、コロナの前の懐かしい感じが帰ってきたように思います。入場無料の整理券が入場可能時刻を1時間ごとに刻んでいるので、大きく混むこともなくコンスタントにお客さんがやってきて快適に販売できました。全盛期ほどの売上はなかったですが、よく売れました。私のブースで一番売れてたときは記録を見ると今回の10倍程売れてたようで、むしろ昔がなんでそんなに売れてたのか不思議なレベル。オンラインマーケットは電子本だけもよく売れてました。値段は物理本+電子本と一緒ですが、電子本だけで売れるのは意外でした。現地では、電子版だけはたまに売れますが、ほとんどは物理本+電子本で売れてたイメージです。

Rubyをこれから始めたいと声をかけてくださった方もいて、そういう方へ私の本が届くのはとても嬉しいし、もっといろんな層へ広めていけたらいいなと思いました。いろんな方と話せて、コロナで忘れていた感覚をまた1つ思い出しました。

べこさんとブースへ来てくれた角谷さんとで池袋東武のレストランフロアの火鍋屋で打ち上げ。打ち上げめちゃめちゃ楽しい。準備して、1日販売して、打ち上がるのは最高の気分。もっとやるべき。これもコロナで忘れていたものを1つ取り戻した感。東武の中の店はトランクを転がして行っても置き場があって便利と学びました。ちょうどサミット警戒期間中でコインロッカー封鎖されていたので助かりました。


2023-05-16 [長年日記]

_ RubyKaigi2023とRubyistBookAuthors

前回中止になった松本での現地開催。今回一番印象に残っていてる書籍著者訳者たちによる企画RubyistBookAuthorsについて記録を兼ねて書き残す。私の記憶で書いているので、事実と異なるところもあるかもしれない。実際は江森さんたちによる「技術書同人誌博覧会」に出ようという話も同時並行に進んでいるのですが、そちらは江森さんが別の機会に書いてくださると思う。

著者訳者が集まりスタンプラリー企画"RubyistBookAuthors"が開催された。著者訳者に話しかけてスタンプをもらい、4つ集まったら栞がもらえる企画だ。発起人の鳥井さんの記事にどんな企画かが書いてある。

It's time to collect stamps at the venue of rubykaigi2023 ! - Rubyist Book Authors Stamp Rally / 最近本を出したRubyistに話しかけようスタンプラリーrubykaigi2023 会場 をやります authorsrb

https://note.com/yotii23/n/n031bfdc95859

この企画をやりたい理由は「著者訳者たちとRubyKaigi参加者のコミュニケーションのきっかけ」をつくりたいからだ。そして鳥井さんの記事に書かれた「つまりわたし(鳥井)に話しかけてほしい」が端的に言い表していると思う。本を書く作業は1人または少人数で淡々と長い時間をかけて進む。それなりの時間を書けてやった作業に対してフィードバックがもらえたらとても嬉しいことだ。今までのコロナ禍では難しかったこともあり、著者訳者陣はひさしぶりに交流したい気持ちを高めていた。

最初は鳥井さんがスタンプラリーやりたい!と声をあげて、以降いろいろと話が固まっていく。どうやってスタンプ所持者をわかるようにするかは、早い段階で腕章のアイデアが出て、角谷さんが腕章スポンサーをやってくれることになった。

「Shibuya.rb RubyKaigi 2023 前夜祭」でこの企画の宣伝をしたところ著者訳者の仲間が増えた。嬉しい流れ。著者訳者同士の交流もたのしい。このときに「RubyとRailsの学習ガイド」を発売して、サインをたくさんさせて書かせてもらった。現地イベントというのはこんなにもたのしいものだったのかと忘れていた感覚を思い出した。詳しくは前の日記に書いた。

Shibuya.rb RubyKaigi 2023 前夜祭 GMO Yours・フクラス https://igarashikuniaki.net/diary/20230427.html

さらに、鳥井さんが腕章データを公開して著者訳者のみなさんが自分でスタンプ押す係になれる仕組みができる。これも素晴らしいアイデアで、さらに交流の輪が広がった。Shibuya.rbで加わっていた「うなすけファンブック」は参加の敷居を大きく下げるという良い仕事をしていた。

新刊が出るタイミングとも重なっていて、『ユウと魔法のプログラミング・ノート』、 『研鑽Rubyプログラミング』、『はじめてつくるWebアプリケーション 〜Ruby on Railsでプログラミングへの第一歩を踏み出そう』 が会期前後1ヶ月に出版されていた。最近、RubyやRailsの本が出るのは少ないのでとても嬉しい。研鑽Rubyプログラミングは原著者のJeremy EvansさんもRubyKaigiで登壇されるので、本人からサインがもらえる貴重な機会だった。昔はRubyKaigiに書店さんが出店していることもあり、サイン会もたくさんあったが、その空気がRubyistBookAuthorsで少し再現されていたことに懐かしい気持ちになる。角谷さんがかけあって大ホールへつづく通路の良い場所にある長机でauthorsrb連合で即売会ができた。

スタンプを押したり、サインをするときに、話しかけてくれた方と会話ができるのは本当に嬉しい。「パーフェクトRailsのおかげで転職できました」、「Ruby超入門わかりやすかったです」、「どの本もイラストがかわいいです」と嬉しいフィードバックをたくさんいただいた。

私の「RubyとRailsの学習ガイド」は100冊持ち込んで、全て頒布することができた。余ると思って返送の準備もしていったのでありがたいことだった。スポンサーブースを在庫置き場として提供してくれたコインチェックさん、搬入をしてくれた大和田観光さんには感謝している。

RubyistBookAuthorsのハッシュタグがauthorsrbになったことも影響してか、この活動は継続しそうな雰囲気になった。名前には力がある。ruby-jp Slackにauthorsrbチャンネルもできた。

https://ruby-jp.github.io

本や資料はなんぼあってもいいものなので、書く人が増えることはすごく嬉しい。そんな書いている人たちが楽しむ場所、情報交換の場所、そして読み手と書き手が交流できる場所としてAuthors.rbがにぎわっていくといいなと思っている。

まだまだ書きたいことはあるけど、以下、書き残したことを箇条書きで。

  • 場所があると話す機会、立ち読みの機会になって、そこから買ってもらえることがある。
  • 歩きながら本を売るのは難しい。知っている方を除くと、初めましての方に買ってもらうことはほぼなかったと思う。
  • 書籍が重いので、在庫置き場が欲しい。私はコインチェックさんのところを借りてたが、他の著者陣が宿泊先から補給するのは大変そうだった。
  • コインチェックさんブースに見本誌を置かせてもらって、そこでも引き合いがあったそうで嬉しい。
  • スタンプ台紙の置き場がわからない人も多かったので、スタンプとあわせて台紙を持ち歩いて配るとよさそう。
  • 電子版にサインできる技術が待たれる。RailsガイドやRailsチュートリアルのようにWeb上の記事を書いている人もたくさんいる。
  • 松本の丸善にも小さいながらもRuby本コーナーがあったことも嬉しい。Pythonは隣に2列あってすごい。

リンク集

RubyKaigi全体のダイジェスト

  • みなさんとたくさん話せて最高の時間が過ごせた
  • 送りだしてくれた妻に感謝
  • 数年ぶりに会う方も多くていろいろ話せてとてもよかった
  • フィヨルドブートキャンプのみなさんともお会いできてよかった。記念撮影の迫力がすごい。
  • 社内勉強会でリモートでしか会ったことないGlobisのみなさんと会えてよかった!
  • 松本の蕎麦、十割蕎麦でもコシがあってつるつるしていておいしかった
  • 松本の味噌ラーメンおいしかった。初めての街でラーメンを食べる体験おもしろい。
  • 食べチョクさんブースでもらったりんご「ピンクレディ」が抜群においしかった
  • 幻となったWEB+DB PRESSステッカーを通じてみんなの同雑誌の愛され度を感じた
  • 大和田観光さんに書籍を送付したところ宿泊先まで重い段ボールを搬入してくれた
  • 珈琲美学アベで朝ご飯を食べているとRubyistが集まってきて話ができる体験がよかった
  • 栞日の2Fが良い空気感でよかった
  • しばたさんに標準添付ライブラリと新しくできてきたDefault Gem, Bundled Gemの説明を聞けたのでRuby超入門にも反映していきたい
  • matzさんにmrubyがスタックマシンではなくレジスタマシンを採用した理由とそのメリットデメリットを教えてもらった
  • Parserの話題が多くて激アツだった
  • LSPの話題が多かったので調べたい
  • CFPを出して次回は話せるようにがんばりたい

2023-04-27 [長年日記]

_ Shibuya.rb RubyKaigi 2023 前夜祭 @GMO Yours・フクラス

お声かけいただいてRubyKaigiのRejectTalkをさせてもらった。tweetしておいてよかった。角谷さん、はるかさんさん、june29さん、くろたきさんと昔から仲良くしていただいてるみなさんと一緒に登壇できてとても良い機会だった。

話した内容は「機械にRubyを教えてもらうRuboSenseiをつくっている」という内容で、TypeProfで型推論をする話をした。CFPが出てからChatGPT-4が発表されて立場が危うくなっていたり、TypeProfも次のRubyKaigiでmameさんから新しい話があるようで、ちょうど良いタイミングで話ができてよかった。

https://speakerdeck.com/igaiga/shibuya-dot-rb-2023-04-27-igaiga

対面で話す機会はカレンダーを見返すと2019年秋以来のようで、約3年ぶり。話している自分のテンションが高くてびっくりするくらいで、この感覚はすっかり忘れてしまっていた。とてもたのしく良い時間だった。jokerさんとは渋谷Ruby会議01のおそろいのTシャツで写真を撮ったり、こういうことも現地イベントならでは。

また、会場で発売初日の本「RubyとRailsの学習ガイド」の紙本プレゼント企画でお渡しするときにサインもたくさんさせていただき、この感覚もRuby超入門のとき以来でとても嬉しかった。フィヨルドブートキャンプのみなさんともたくさんお会いできた。

渋谷の街は来るたびに変化しているが、地下の惣菜売り場をよくつかっていた東急の古いビルがピカピカの新しいビルになっていて新鮮な気持ちになれた。


追記