2009-07-20 [長年日記]
_ [ruby] Ruby会議2009最終日 - 星に願いを -
田中さんのソケットの話も、artonさんとごとけんさんのスクリプトの話も
おもしろかったのだけど、
たぶん後で公開される動画でみていただいた方がいいと思うので、
今日は角谷さんと高橋さんの話を。
このお二方の話は同じ話を2つのアプローチから話してるように感じた。
2人とも共通するのは、観客の耳に優しい楽しい話ではなく、
いわば苦みを伴う話だったこと。
角谷さんは
「たのしいRubyとナイスな人びととのつながりはとても自由なものだが無料ではない。
どうすれば?」。
高橋さんは「新しいことを始めるために捨てなければならないこともある」。
それでも角谷さんは
「赤いピルを飲んだからには、理想の世界を目指そう」と、
高橋さんは
「変わらない方が良いのかと問われればNoと答えます。
喪失を恐れず,それを越える収穫を得るため,
変化を選別する必要があると考えます。 」と。
2007年のRubyKaigiでDaveThomasさんが
「Rubyのコミュニティは素晴らしい」と鼓舞し、
2008年は角谷さんの「会議をもっと!」でRubyのコミュニティは発展してきた。
ここからの一歩を踏み出すには、
高橋さんも角谷さんも確かな答えを持っていない。
だからみんなで考えて行動しようと。
勉強会をやったことのある人ならおそらく同様の悩みを持っていると思う。
自分の力の限界に達したときに、それを越えて活動する(あるいは維持する)には、
メンバーの協力、あるいは革命的な一歩が必要になる。
でも、それを皆の前で言うのは怖いことでもあると思う。
「トップは迷う姿を見せてはいけない」という言葉を聞くことも多々あるからだ。
それにも関わらず、このお二方がこの話をしたのは、
Rubyコミュニティが十分に成熟し、ナイスが正統になったているからだと思う。
みんなで考えて進もうという提案によって、
私たちはよりいきいきとした世界を目指して歩いていけるはず。
そう思わせてくれたお二方の発表だった。