2009-10-06 [長年日記]
_ ノーベル物理学賞は「光ファイバー通信の偉業とCCDの発明に対して」
今年の物理学賞は物性の年で表題の件に授与されました。
(2008年は素粒子、2007年はGMR(巨大磁気抵抗効果、HDDのヘッドとかに応用されてる))
物性の年は分かり易い。
光ファイバーはインターネットやTV、電話など今の世の中に欠かせないものですし、
CCDはデジカメやビデオカメラなどなどみなさんの家の中にたくさん見つけることができるでしょう。
ノーベル賞のページは説明が丁寧に書いてあって面白いので、少し読んでみました。
光ファイバーの方はKaoさんという方の業績。
1966年、まだ光ファイバーが減衰が大きくて使い物にならず、
たぶんそれどころか光で通信しようなんて誰も考えてなかった時代、
ファイバー内の光の減衰の主因は構成するガラス中の不純物(鉄イオン)にあることをつきとめ発表。
「もっと純度の高いガラスを作れれば、光使って通信できるんじゃね?」
という提言をしました。
そこからいろいろあって純度の高いガラスの光ファイバーができていくわけですが、
(Kaoさん自身も共同研究者さんとともにその開発に携わったようです。)
私の減衰した物理力ではもう分かんない。(笑)
波長を変えたりシングルモードとマルチモードがなんちゃらとか。
不純物を減らすためにtitaniumをドープ(混ぜる)するという画期的な製法ができたり。
Kaoさんが提言した1960年代、高速通信に関して
世の中の人々は電波の優位性を信じていたのでしょう。(推測)
しかし今や世界中に張り巡らされた光ファイバーで
世界の裏側の人たちとチャットを楽しんだり、
写真や動画をやりとりすることができます。
今日のインターネットを支える技術が生まれた最初の一歩、
その物語にわずかでも触れられた楽しい解説読みのひとときでした。
http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2009/
(右側のscience background と Infomation for the Public を読んでの記事でした。)
今年はとても技術系でしたね〜<br>パイオニアになる方の努力は本当にすごいと思います。
>にーさん<br>新しい概念を提唱するってのはすごいなぁと思います。<br>技術者として、そういう機会が一生に一度でもあれば、<br>と思うのですが、なかなか難しいですね。(^^;)