2005-03-19 [長年日記]
_ バイオインフォマティクス公開講座2日目
この分野で一番重要なのはホモロジーらしい。
ホモロジーってのは、進化に起因する相似性。
例えばタンパク質で、
構成アミノ酸(=DNA配列)が2割しか同じじゃないのに立体構造や働きが似ていたり。
進化の過程で、機能を果たせなくなると淘汰されるのでそーいう性質が生まれるのだ。
そーいう性質があるからこそ、類似性からいろいろ引き出せるのだ。
この分野は生物の進化の歴史をひもとく部分が多いですね。
異なる生物間のゲノムを比較することで、
このグループはこうだけどこっちは違うねとか。
そのくせDNAで共通部分が多いのにヒトと大腸菌みたいに全然違う生物だったり。
進化の歴史っておもしろいなぁ。
そしてこの分野はホントに若い学問だ。
インフルエンザのゲノム配列が解読されたのが1995年。ヒトは2003年。
砂漠の中でダイヤをみつけるのが研究なわけですが、
まだまだ魅力的なダイヤがたくさんありそうで楽しそうです。
総括すると、すごく面白かったです。
バイオの基礎知識もついたし、
概論なのでNHKスペシャルのようなおいしいとこどりでもありますし。
ただ、一番期待してた多数のデータをどうやって処理するのかっていう
アルゴリズムの部分があまりなかったのが残念でした。
そこまでいくと概論では時間が足りないんだろな。
こんにちわ。<br>バイオインフォマティクスって良く聞きますけど、<br>結局何なんでしょう?<br>大量のゲノムデータを計算機で処理して有意な配列を探し<br>出すことなのか、それとも生命活動を抽象化した情報処理と<br>捕らえてアルゴリズムに還元することなのか。<br><br>後者の手法には興味ありますが、Webで検索すると<br>研究者によって定義がまちまちですし。<br><br>生物学には興味あるけど、知識が無いので<br>北大でやってたんなら僕も受講すればよかった…。
バイオインフォマティクスはすごく幅が広いようなので素人にはひとことで言い表せませんが、<br>がんばって言ってみると<br>「ホモロジーっていう性質を利用して類推と予測withコンピュータ」<br>って感じでしょうか。<br>働きの分からない高分子の物性を<br>似た配列、立体構造を持つ素性の知れた他の高分子の物性から予測するとかね。<br>公開講座は来年もあるらしいのでぜひ。
ホモロジーですか…<br><br>生体ではちょっと曖昧な情報処理が行われてるって<br>ことなんでしょうかね…。<br>でも、そういう曖昧さが、曖昧さのないデジタルコンピュータ<br>の情報処理とは本質的に異なる動作原理を生み出せてるんだと<br>したら面白いですね。<br>なんにせよ、科学に残された未知の領域なので、将来の自分<br>の研究テーマ探しのためにも勉強しておかねば。<br><br>>公開講座は来年もあるらしいのでぜひ。<br>来年も北大にいたら是非とも参加したいです(笑)。
曖昧というよりは、突然変異の方がしっくりくるかもしれませんね。<br>情報処理というよりは情報伝達(遺伝)。<br>DNAが複製されるときに、一度にあちこち変わってしまうと個々の生物として生存できないので、<br>ごくまれにDNA塩基の1つだけが置き換わったりする。<br>それでも劇的な変化が起こることもあり、<br>命を保てなければその変異は淘汰されるし、<br>メリットが生じたり大きな変化が現れなければ生存していく。<br>また1つの塩基が突然変異して、、、の繰り返し。<br>これをですね、逆から(進化した後のもの)辿ると、<br>配列中のこの塩基だけはどの生物でも変わってない<br>=ここが変わると個として生存できないのでは?<br>→生物に共通の重大な機能に関わっているのでは?<br>って感じで推理ができるわけです。<br>他にも進化の系統樹を作って、この機能を持つ生物と持たない生物でDNA配列のここが違うね、とか。<br>これらが「ホモロジー(進化に起因する相似性)を利用した類推」ってことだと思います。