2008-12-14 [長年日記]
_ [book] 新版暗号技術入門 - 秘密の国のアリス
結城さんの新版アリス本を買いました。
実は、この本の出版に先立つ9月に結城浩さんからメールをいただきました。
この本の前の版を読んだ私が結城さんに送った感想をきっかけに
量子暗号と量子コンピュータの箇所をアップデートすることにしたので、
謝辞に名前を載せてもいいですか?とのこと。(意訳)
以前送ったメールの日付は2004年5月。
当時は社会人2年目のプログラムもまだろくに書けないぺーぺーの時代。
それでも学生時代に培った物理能力は今よりも優れていて、
的確に感想を書いているなぁと思いました。
時代はながれて2008年9月、
私は社内留学という制度でセキュリティを勉強していました。
このとき教科書に使っていた1冊が結城さんの(旧版)アリス本で、
結城さんからメールをもらってとても嬉しかったです。
5年前の私よ、ありがとう。
5年前の私には、今の私はたぶん想像してなかっただろうなぁ。
さて、この量子暗号と量子コンピュータの文はページにして2ぺージくらいなのですが、
必要な情報はしっかり入っています。
強いて言うと、
「(1)光子の偏光方向を正確に測定することが原理的に不可能という事実」
という文がちょっとひっかかる。
「測定のために必要な情報を持っていない者は、光子の偏光方向を正確に測定することが原理的に不可能」
とした方がいいのだけど、長くなっちゃうなぁ。
これと、
「(2)測定することで光子の状態が変化してしまうという事実」
の組み合わせがポイントですね。
あと、量子コンピュータの方は「粒子」って言葉がひっかかるので、
「量子」にしたいのですが、量子だと知らない人はイメージできないですよね。。。
量子(量子力学が適用できる極小スケールの世界での粒)かな。。。
表現って難しい。
9784797350999
巨視的には測れるんですけどねー。>フォトンの偏光度
ですねー。巨視系との相互作用が測定ですね。