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いがいが日記


2013-01-03 [長年日記]

_ Amazon Glacier の料金にご注意

Amazonが低価格のストレージサービスGlacierを去年8月から開始しました。バージニアリージョンでのお値段は$0.01/GB・月とかなりお安い。ちょうどバックアップ用のクラウドストレージを探していたので、好奇心で使ってみました。ただ、S3とは随分違います。気をつけることはこの辺。

  • 転送には時間かかる。私のところでは1時間あたり1GBくらい。
  • DLするには転送開始までのDL準備時間もかかる。3~5時間程度。
  • WebのUIは無い。APIを直接叩く。

と、ここまでは把握していたのですが、落とし穴がありました。1ヶ月後に請求書を見たら、1ヶ月で70$以上の請求が!50GB程度しか使ってないのでいくらなんでも高すぎる、なんで???という話をtwitterに書いたら、同僚の @thso83 さんから料金のこの部分に該当するのではと指摘をもらった。

「無料で取り出せるのは、1 か月当たり、お客様の月平均保管量の 5% まで(1 日ごとに案分)です。1 か月間に取り出すデータの量がこれを上回る場合は、取り出し料金(0.01 USD/GB から)をいただきます。詳細はこちらをご覧ください。」

これだー!リンク先を読むと、取り出し料がすごく高い。「取り出し料金は、毎月の請求可能なピーク取り出しレートに基づいて計算します。」つまり、1ヶ月のうちで一番転送量が多かった時間で請求される。無料転送量とかもあって計算式は複雑なので詳しくは各自リンク先を読んでもらうとして、ものすごくざっくりな計算の話だけします。50GB預けてて、そのうちの10GBのファイルが5時間で転送された(つまり2GB/時間)とすると・・・

  • 2GB/時間 × $0.01 × 720 時間 = $14.4

と、結構なお値段になってしまいます。(実際は無料転送量があるのでもうちょい安くなるかもですし、逆に、転送時間がどれくらいになるかは制御できない(と思う)ので、これよりも高くなる場合もあります。)私はUploadできたかどうかDLしてテストしたのが敗因で、しかも複数ファイルを同時にDLしたのでピーク時転送量が上がったために高額になったというわけです。

なので、ファイルはできるだけ小さめにした方がお安くできるわけですが、その分、とりまわしも面倒になるので悩ましいところ。upしたあとにファイルの確認をする場合は、ファイルサイズとSHA256TreeHashが取得できるので、これで確認すれば良いでしょう。ただ、このハッシュが普通のsha256ではないのが曲者です。opensshだと計算できません。私はnode.jsとnpmを入れて、treehash.js で計算しています。

AmazonS3も$0.095/GB・月と安くなっているので(いつの間にか安くなりましたね。2009年の記事によれば$0.15/GB・月)、取り回しのしやすさなどを考えるとS3でいいかなーとも思いました。私は転送も済んでるので、Glacierをもうちょい使ってみようと思ってます。置いておくだけならかなりお安いので、注意して使えばお得だなと思います。


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