2004-04-03 [長年日記]
_ 久々の休日
ビバ休日!
そんなわけでミニコンポを買いました。
7年前に買ったSONYのミニコンポもまだまだいけるのですが、
3年ほど前に液晶表示部が映らなくなり。
(他は大丈夫ってことはやはりタイマーか。。。)
ラジオのチューニングが大変なんです。
主にFM AIR-G しか聴かないのでなんとかしのいできましたが、
思い切って買うことにしました。
_ DENON D-AJ03
今回の選択条件は「デザイン」。これにつきます。
本当は松下のSC-PM77MDにしようと思ってたんですが、
モデルチェンジで既に品切れでした。
そこで店内回って吟味したところこれだ!と。
私はアルミの質感が好きなのでこれのCD部にぐっときました。
(松下のやつもアルミの質感がすごいよかった。
あと、DONONのD-107-sはすごくかっこいい!でも高かった。)
しかも、CDの開き方もかっこいい!
不満は入力がアナログミニジャックしかないところかな。
できればデジタルが欲しかった。
けどこーいうコンパクトサイズではデジタル付きはほとんどないですね。
色はホワイトもなかなかよかったのですが、
スピーカの布張りがよごれそうだったのでシルバーにしました。
シルバーだとスピーカ部も金属なので、長く使えるかなと。
早速使い始めました。
うーん、このデザインいいかも。うれしくなってきます。
不満点はFMが「ぶちっ」って途切れること。
電波が悪くなるとそうなるようですが、ちょっと気になります。
前のSONYのやつは大丈夫だったので。
雑音レベルが高くなると無音にする機能の副作用でしょうね。
室内でFMがすごくよく聴けるアンテナとかないのかな?
さて、引退したSONYのミニコンポはmacの外部出力機にしました。
これでiTunes聴きまくり!
_ メルマガへの道
2年前にもメルマガを書いていたのですが、
また始めようかと思ってます。
今度は「科学」ネタで攻める予定です。
せっかく大学で勉強したんだし。
今度は発行する前に全回分書き上げようと思ってます。
そんなわけでこつこつ書きためていく予定です。
手始めに書いてみました。↓
_ [science] 僕が君で君が僕で?〜不可弁別性〜
「世界に一つだけの花」がヒットしました。オンリーワン、少しずつ違う私たちの個性を活かしているから、世の中にはいろいろな出来事があり面白いのですね。
ところで、すごく小さなものの世界(量子力学の世界)、例えば電子などでは1人1人を区別することができません。
電子のでんこちゃんとでんし君がいます。2人は10年ぶりの再会を果たし、駆け寄ります!(2人の馴れ初めや10年前の別れのシーン、再び出会うまでのいきさつは残念ながら今日はお話する時間がありません。)見つめ合う2人。抱き合う2人。しかし2人は分かれる運命。そして2人は再び別々の方向へ歩み始めました。見ている私も思わず涙。2人の姿がかすみます。あれ?なんだかどちらがでんし君でどちらがでんこちゃんかよく見えません。涙のせいでしょうか?いや、ハンカチで涙をぬぐっても同じです。これは私の涙が原因ではなく、原理的に区別できないのです。2人が重なった瞬間、自然界は2人を区別しなくなるのです。これを量子力学では「不可弁別性」と呼びます。「弁別」は簡単に言えば「区別」で、「不可」なのでそれができない性質、ですね。
これは、「区別できない」ともちょっと違って、「区別しない」の方が正しいかもしれません。次の例をみてみましょう。
世界に誇る大田区の町工場に精巧な2枚のコインを作ってもらいました。素晴らしいできばえ!どちらがどちらだか見分けをつけることはできません。さて、この2枚のコインを投げたら表裏の確率はどうなるでしょうか?
表表 25%
裏裏 25%
表裏 25%
裏表 25%
表裏と裏表は区別できないかもしれませんが、併せて50%になることは確実ですね。(なにしろメイドイン大田区の町工場ですから、偏ることは絶対にありません!)
では、つぎに量子力学の世界にある電子サイズのコインを考えましょう。さすがの大田区の町工場でもこれはちょっと作れないので想像の世界のお話です。さて、同じようにこの2枚のコインを投げたら表裏の確率はどうなるでしょうか?表表、裏裏、表裏の3通りです。では確率は?
表表 33.333・・・%
裏裏 33.333・・・%
表裏 33.333・・・%
あれ?私たちの世界サイズのコインとは違いますね。表裏と裏表は「区別しません」。「不可弁別性」があるからです。「区別できない」私たちの世界サイズのコインとも違うふるまいをするのですね。
このように量子力学の世界では1人1人を区別することができません。学校へ行き、こっそり憧れのあの子の隣に座っていることも可能です。ただ、そこに座っているのが本当に憧れのあの子かどうか確かめることもできないのですけどね。。。
※ちょっと難しいお話。
量子力学の世界のコインは等確率の原理(エルゴード仮説)にのっとるとしています。これは「孤立系を十分長い時間放置しておくと、物体の実現可能な量子状態はは全て等確率で実現する」というものです。現実的には「量子系のコイン」なんかではなく「十分に大きな数の電子の集合」などのお話をするでしょう。ボースアインシュタイン分布、フェルミディラック分布は不可弁別性とボソン、フェルミオンの性質から導かれます。
※参考文献
岩波書店 岩波基礎物理シリーズ7「統計力学」:長岡洋介著
裳華房「量子力学I,II」:小出昭一郎著
実は、コインの表表,表裏,裏裏の確率が1/3,1/3,1/3というのはコルモゴロフの確率の公理に反してしまうのであり得ないんです。これはサイコロのⅠ:偶数偶数,Ⅱ:偶数奇数,Ⅲ:奇数奇数と同じですね。ところがⅠ:(2,2),(2,4),(2,6),(4,4),(4,6),(6,6),Ⅱ:(1,2),(1,4),(1,6),(2,3),(2,5),(3,4),(3,6),(4,5),(5,6),Ⅲ:(1,1),(1,3),(1,5),(3,3),(3,5),(5,5)で、この21の事象が同様に確からしいのならばⅠ,Ⅱ,Ⅲの確率は6/21,9/21,6/21となり、1/3,1/3,1/3と矛盾してしまいます。