2006-05-20 夏を先取りした青空の下、半袖で過ごした土曜日 [長年日記]
_ [book] 勝負脳を鍛える
谷川浩司と古田敦也の往復書簡形式の対談をおさめた文庫本です。
将棋と野球とお互いの世界に関して持論を展開する2人の対話はとても面白いです。
古田は羽生善治に2枚落ちで勝ったことがあるという凄腕。
印象に残ったのは谷川の
「生きた情報は現場にあり、その場で同じ空気を吸ってみる」
というもの。
新聞のコメントよりも、
感想戦である局面を振り返る際にふとでる「そうか」とか「なるほどね」というさりげない一言が、
実は真意を伝えていてプロにとっては一番参考になる、というもの。
この2人の対談があったらぜひ現場へ行って生きた情報を得たいものです。おもしろそうだなぁ。
大変面白い一冊でした。オススメです。
_ プロ棋士はどう考えているか
将棋つながりで羽生さんの話題。
はこだて未来大学の公開講座で行われた羽生善治氏の講演の様子がブログに書かれています。
非常に興味深い内容です。
「今でも戦型の流行はあるが、みんながどれか一つをやるというよりも拡散的な流行が生じている」
というのは音楽の分野でのミリオンヒットの減少やアマゾンのロングテールと同じで、
情報が多くなってみんなが自分の好きな方向へ向かうとこういう傾向になるのでしょう。
「知識」と「知恵」のレイヤーを分けようとしている考察も非常に面白い。
「莫大な知識の積み重ねが知恵を生むと感じている。
量を積み重ねていって、単なる知識、量に過ぎなかったものが
ある一定量に達すると知恵になるのではないか。」
というのは斬新な考え方ではないでしょうか。
はこだて未来大学の方々がうらやましい!!
_ [book] アンビエントファインダビリティ
んー、期待して買ったのにイマイチ。
私は普段はつまらない本の書評は書かないのですが、
せっかく読了したので書いてみます。
なんか面白くないというか、
分かっていることを丁寧に言葉に落としているのは認めるのですが、
あまり新しく得るモノがなかった本でした。
歴史の話が多くて未来の話があまりなかったからかなー。