2007-10-10 昼頃から晴れ、気温上昇。 [長年日記]
_ GMR - ノーベル物理学賞2007
"for the discovery of Giant Magnetoresistance"
ということで、
巨大磁気抵抗効果(GMR)が今年のノーベル物理学賞に。
どんな効果かというと、
「磁界をかけてるとかけてないときで電気抵抗ががらっと変わる性質みつけたよ」
ってことです。
この物質をHDDヘッドに使えば、
ディスクの磁性を持ってる部分と、持ってない部分に近づいたときに大きく電気抵抗が変わるので、
記録されている磁性の有無を観測できるわけです。
物理的な詳細は公式ページの"scientific background"のPDFが今年もとても丁寧に説明してます。
物理学専攻の修士レベルくらいで読める内容だと思います。
私の理解できた範囲で説明すると、
■1.強磁性体は電子のスピン↑↓で電気抵抗が異なる。
↑↓の電子密度が異なるので、↑↓変換される際にエネルギーロスがあったりなんかして。
■2.強磁性体(↑)-非磁性体-強磁性体(↓)という構造を作る。
この↑↓はどちらのスピンの電子密度が高いかを示す。
■3.この構造に磁界をかけ、
強磁性体(↑)-非磁性体-強磁性体(↑)
という構造にすると、磁界をかけてないときよりも抵抗がすごく減るよ!
ってことだと思います。#ここまでは学部生レベルでいける。
そこからさらに界面の話とか超格子の話とかTMR(トンネル磁気抵抗)の話とかもあるけど、
理解するのに時間かかりそうなのでパス。(^^;)