2003-12-07 出会いの形、別れの形 [長年日記]
_ 私の最年長の友人へ、あなたの最年少の友人より
喪中のハガキを受け取りました。
友人の奥さんからの、友人の死を告げるハガキでした。
友人は私の最年長の友人であり、享年71歳、世間からみればそれほど早死でもないのかもしれません。
人の死っていうのはじわじわくるもので、
もう会えることもないんだなぁ、とふと思ったときに寂しさが募るものですね。
私がその方と出会ったのはメルマガ「日本語紀行」の執筆をしていた頃で、
その方は読者さんの1人でした。
たいそうな題名ですが私は日本語に造詣が深い訳でもなく、
一方、出版業に携わっていたその方はいろんなことを私に教えてくれました。
(「小さい出版社だ」と仰ってましたが、元社長のご隠居さんでした。)
1年前にお会いしました。(最初で最後になってしまいました。)
年が離れているにもかかわらず、得意分野もまったく違うのに、
私たちの考え方はとても似ていて驚きました。
たくさんの方とつながりをもっていて、人脈の大切さを教えてくださいました。
隠居とはいえバイタリティー溢れる方で、
「○○の復刻版を今度出したんだ」
「あちこちで講演なんかもしてるが、あれは面白いね。」
と仰っていたので、私よりも若い友を作り最年少友人記録を更新することも時間の問題だと思っておりました。
その方が「私もあとまぁ30年くらいしか生きられないから、、、」
と笑いながら話した言葉が思い出されます。
「私は種を蒔いている。
いつか私が死んでも、私の考えを受け継ぐ若い人が活躍してくれたらこれほど嬉しいことは無い。」
私たちは大きな畑を持っていて、そこでいろんな実や花や種を育てていると思うのです。
出会った人と種を交換したり、育て方を相談したり、見事な大樹に感嘆したりしながら。
いつか私の種も誰かの畑で実を結ぶ日がくればこれほど嬉しいことはありません。
まずは私なりの畑を作っていこうと思います。
もらった種も、もう私の中で小さからぬ木に成長しています。