2006-02-27 [長年日記]
_ [book] Joel on Software
この業界の方で読んでない人はいないんじゃないかってくらい
あちこちで話題をみかけるJoelOnSoftware読了。
非常にエキサイティングな本でした。
なるほどそういう考え方があるのか、と感心することしきり。
いくつか挙げてみます。感想を交えています。
■(・∀・)イイ!プログラムへの12ステップ - ジョエルテスト
12問中8つに○がついたのでなかなかいいところまで来ています。
#でも合格点は11点だそうだ。
■報奨金有害論
ネガティブな評価は明らかに士気を下げる。
これはプラス評価でも本人が思っていたほどでなければ同様。
かといって評価しないと
「いつもさぼってるあいつと一緒かよ!」
となるので、評価ってすごく難しいですね。
■プログラムは0から書き直してはいけない
「既に修正されているバグのノウハウが全て失われてしまうから」
が一番大きな理由だと感じた。
リファクタリングをがんばろう。
■漏れのある抽象化の法則
型にはまっているうちはその知識だけを知っていればいいけど、
そこでできないことやうまくいかないことが起こったときは
下のレイヤーの知識が必要になる。
→なんでプログラマの勉強量は減らない。
→じゃあ下だけやればいいじゃん、となるかというと、
便利なフレームワークとか知らないと工数の面で損するからたぶんうまくいかない。
■Ben&Jerry's VS Amazon
ゆっくり成長する企業モデルと急速成長する企業モデル。
どちらにも学ぶことはあると思う。
お金で時間を解決していく様子は快感。(^^)
■鶏と卵の問題
枕の「広告の本質は嘘をつくこと」も面白い。
製紙会社は森林を伐採してしるので、
広告では素敵な古い松の森を示して環境に気を遣っていることをアピールする。
本題の方は「良いソフトが生まれるまでプラットホームは普及せず、
プラットホームがシェアを取るまでは誰もソフトを書かない」とか。
これを解決するには後方互換を持たせて初期状態を盛り上げる。
■オープンソースの経済学
この本で一番興味深かった部分。
補完財とは、他の製品と一緒に買う物。
自動車に対するガソリン、ハードウェアに対するOSとか。
製品の補完財をコモディティ(十分安価)化するのが優れた戦略である。
M$はPCをコモディティ化し、普及させ、DOSの需要を増やし成功した。
ほかにも
IBMはITコンサルタント企業になろうとしている
→ITコンサルはエンタープライズソフトの補完財
→オープンソースを後押ししてエンタープライズをコモディティ化
とか分かりやすい例で紹介されている。
うまくこれに当てはまっている例だけを出されているような気もするが、
こういう論法は考えたことがなかったので非常に勉強になった。
■採用面接ゲリラガイド
非常に優れた面接方法だと思います。経験者談。(笑)
もし将来、私が面接する側に回ったらこれを参考にします。
と、いうことでたくさん書きましたが、まだまだ面白い記事がたくさん載っています。
IT業界の方にはぜひご一読をオススメします。
私が選ぶ今年の書籍ベスト5には必ず入ると思います。
8点ってすごいね。。。<br><br>私のところはせいぜい4点くらいか。。。orz
私はプロジェクトにジョインしたときに、<br>「なんて開発体制が整っている環境なんだ!」<br>と驚きました。<br>ライブラリなのでテストが非常に効果的に実行できるというのも<br>自動テストモチベーションUPに繋がりますね。<br>ワンステップビルド(リリースパッケージ作成)が次の目標です。<br>あと、XP開発で「人が交換可能になる」のは重要ですが、<br>それによって得られる心のやすらぎも非常に大きいですね。<br>自分がトラックナンバーを下げている状態はやっぱりプレッシャーが辛いですね。
ホームページは日本語訳のほうを一通り読んだけど、本が出てたのは知りませんでした。<br>僕のプロジェクトは3、4点ぐらいだったかなぁ。少なくとも、リプレイス不可能な人ばかりですね。<br><br>リスクを認識してもらうためにもバサッと別プロジェクトに移りたいんだけどなw
>newさん<br>いらっしゃいませ!こちらでははじめまして、かな?<br>これ、内容がかなり盛りだくさんでボリューム満点なので、<br>私はwebだと全部読んでる時間がないなーと思いました。<br>面白くて難しすぎず、通勤電車の中で読むのにちょうどよかったです。<br>リスク認識、トラックナンバーは痛そうなんで、<br>ハネムーンナンバーを測定っていう方針で!(^^ゞ
Webには日本語訳が載ってないやつもあるよね?
あと、加筆修正されたものもあるみたいですね。