2006-04-09 [長年日記]
_ [book] web進化論
satoyuさんに借りた「web進化論」、実は読む前はあまり期待してませんでした。
最近はなんでもweb2.0でもてはやされているし、
仕事でwebアプリを書いているわけでもないし、
著者さんも知らない人だし。
しかし!読んでみて目から鱗。
非常に興味深い本です!
例えば「ロングテール」。
実際の本屋では売り上げ上位の本が売り上げの8割を締めるけど、
アマゾンみたいなweb店舗では5割程度、
残りは1冊売れるか売れないかのマイナーな本が締める。
棒グラフで書くとしっぽの長い恐竜のように、
マイナーな本の売り上げが延々と続いているというもの。
名前と意味は知っていたのですが、面白いのはこの先の説明でした。
マイナーな本は、実店舗の本屋では売っていません。
なぜなら本を置くコストが利益を越えてしまうからです。
アマゾンの場合はコストがほとんど0なので、いくらでも品揃えを増やせます。
そしてマイナーな部分の売り上げがどんどん増えて巨大な売り上げを稼ぎ、
よく売れる本の売り上げを実店舗から奪うだけの力を持ちます。
発言力が強くなると既得権を持っている人たちと交渉が有利に。
例えば本の全文検索はよく売れる本の著者さんたちはやりたくないものです。
そんなことしなくても売れるし、検索で満足してしまう顧客もいますから。
ところがマイナーな本はもともと0冊の売り上げが、
検索でひっかかることによって1冊になる可能性がある。
アマゾンが力を付けていけば、全文検索導入も有利に進められ、
業界の構造改革が起こるかもしれません。
#この件に関してsheさんから「図書館との対立の構図もあるかも」と
#ご指摘を頂きました。なるほど。
他にも「不特定多数∞の人々」とか
「総発信時代の権威ある発信者と新規参入発信者」とか
面白い話題が盛りだくさん。
先週金曜の著者さんWBS出演にあわせてタイミング良く読了できました。
satoyuさんもかなり薦めていましたが、私からもオススメの一冊です。
僕はWBSの出演は知らなかったので、梅田さんが出ててびっくりでした!<br>ブログはたま〜に見てるけど、興味深いこと書いてるもんなー。<br>本も面白そうですね。
おお、blogがあるのかー、と思って見に行ったら、<br>前によく読んでたページでした。<br>なんだ、著者さん知ってたのか。(^^;)