2006-04-30 [長年日記]
_ [book] 熊とワルツを
リスク管理の名著「熊とワルツを」を遅ればせながら読了しました。
一番の収穫は、「リスクのないプロジェクトには手をつけるな」でした。
画期的なことをやるにはリスクが不可避、
であればそのリスクをどう定量化してうまくつきあうか、というのが基本方針です。
逆にリスクのないプロジェクトほどつまらない製品ができることはない、
リスクがなければそのプロジェクトは魅力の面で問題があるというのが冒頭の言葉。
これを読んでから仕事以外でも「リスクをとれ!」と自分に言い聞かせて、
一歩踏み込めるように心に留めています。
例えば卓球のレシーブでもミスを恐れず回り込んで強打で返そうと。(笑)
いろんな場面で使えるので、もっと速く読んでおけばよかったなと思いました。
IT業界以外の方にもオススメの1冊です。
_ CELLによる4000個のMPEG2映像
エンジニアとしては遅すぎる食いつきかもしれませんが、
古川享さんのBLOGにあったCELLによる4000個のMPEG2映像のデモに触発されたので書いてみます。
4000個のPSPサイズMPEG2映像もすごいけど、ハイビジョン8つ同時もすごいなー。
古川さんも書いてますが、処理能力もさることながらI/O(入出力性能)がすごい。
CELLアーキテクチャのXDRメモリは25GB/secの転送速度がでるとか。
すげー!と思ったんですが、DDRも現在はDDR3まで進化していて、
DDR3-1066では8.6GB/sec、デュアルチャネルなら17GB/secの転送速度。
世の中そんなに進歩していたのかー。
でもそれと比較しても頭1つ抜け出ているXDRはすごいな。
その高速性を活かす転送は何でやればいいんだろう?
メモリまでの転送速度はそんなに上がらないだろうから、
そこを解決するためにH.264を越える圧縮率のCodecが必要になったりするのかな。
CELLによって今までできなかったことができるようになって表現力が増すので、
これからどんなデザインが出てくるか楽しみです。
ところで良い技術者の条件として、
「定量的な見積もりができる」が挙げられると私は思っています。
例えばHDDなどからデータが転送されるときに、
HDDの転送速度(100MB/secくらい?)と転送路の速度(SATAで150MB/secくらい?)の
どっちがボトルネックになるかな?とかちゃんと見積もりながらイメージする必要があるはずです。
気を抜くと進化についていってなくて見積もりが常識に合ってるかどうか判定できなくなっちゃうな。
それよりなにより最近は四則演算がおぼつかないのが本当に困ります。(^^;)
DSで鍛えないとかな。