2007-04-04 昼下がりの雷雨、4月の霙(みぞれ) [長年日記]
_ Bonanza vs 渡辺竜王
先月、将棋でコンピュータ対トッププロの対戦がありました。
コンピュータはBonanzaというソフト、
一方のトッププロは若手有力棋士、タイトルホルダーの渡辺明さん。
#竜王というのは賞金が最も高い将棋のタイトルです。
結果は渡辺竜王の勝ちだったのですが、
Bonanzaもかなり善戦し接戦だったようです。
興味深い点が2つ。
1つはBonanzaが稼働していたのはそれほど高スペックのマシンではありません。
Bonanzaのページによればスペックは以下。
Intel Xeon X5355 2.66GHz 8M FSB1333 FC-LGA6 Clovertown x2 (8core)
Memory: 8GB (1GB PC2-5300 ECC REG FB-DIMMx8)
HDD: 160GB 7200rpm/8MB/S-ATA
CPUが1つ15万円くらいで買えるようなので、
全部で50〜100万円くらいのマシンシステムではないでしょうか。
私たちの使っているPCをちょっと速くしたようなレベルです。
しかもHDD容量って全然使わないんですね。
それでトッププロといい勝負ができるレベルまでになってるんですね。
もう1つの興味深い点は、
ブログによれば渡辺竜王はBonanzaを研究して対局に臨んだこと。
「ボナンザは四間飛車穴熊が一番強い」
という情報を元に相手の戦型まで予想して、
その筋を研究しておき、しかも実際にその通りになったこと。
こういうエピソードが観戦の醍醐味かもしれませんね。
渡辺竜王のブログには細かな心の動きが書いてあって、とても面白かったです。
「まだまだ下と思っていましたがプロの足元まで来ているということを認めざるを得ません。」
というのは、コンピュータ側にとって現時点では最大限の褒め言葉なのではないでしょうか。
「一ヶ月ほど前からこの日が近づくに連れてかなりのプレッシャーを感じていました。
そのプレッシャーから開放されて今日はよく眠れそうです。」
というあたりに、棋士のプロ意識と人間らしさを感じました。